第11回芸術学専攻教養講座
「芸術学」という言葉から、みなさんはどのような学問を思い浮かべるでしょうか。この教養講座は、「芸術学」という魅力ある学問をひろく一般の皆様に知っていただくため毎年開講しているものです。第11回となる今年も、芸術学専攻の教員が幅広いジャンルから講座を提供いたします。ぜひお気軽にご参加ください。
開催概要
- 日時
- 平成27(2015)年10月9日(金)18:00〜19:30
- 平成27(2015)年10月16日(金)18:00〜19:30
- 受講料
- 無料(どなたでもご入場いただけます)
- 会場
- 沖縄県立芸術大学 首里当蔵キャンパス 附属図書・芸術資料館 1階 多目的室
第1回 平成27年10月9日(金)『1930年のユートピア的郊外』
文明批評家土田杏村は『文明は何処へ行く』(1930)において都会と田舎の問題を論じ、都市が縮減して至るところに郊外が広がるイメージを叙述しました。従来の研究では、この記述は杏村の個人的な夢想であると判断されてきましたが、そうした夢想を生み出した背景には、「分散主義都市理論」というものがあると考えられます。分散主義都市理論は大都市の環境悪化や関東大震災を踏まえて提唱され、都市の集中・拡大に歯止めをかけて生活圏を分散させることを唱えました。当時こうした理論を展開していた石原憲治の議論をみながら、杏村の文明論を読み直したいと思います。
講師略歴
喜屋武 盛也(きやたけ・もりや)
芸術学専攻准教授。 専門は美学、芸術学。20世紀の文化哲学や美学について研究しています。西村清和編『日常性の環境美学』(勁草書房)、神林恒道編『京の美学者たち』(晃洋書房)などの本に分担執筆しています。第2回 平成27年10月16日(金)『韓国の映像作品と文学力』
日本でも韓国のテレビドラマや映画が多く見られるようになり、ファンも多いです。歴史の中の人物の壮絶な人生と頑張り、ドラマチックで純粋な恋模様、どこにでもある家族のなかの葛藤や温かさが、見る人の経験や願いにつながり、作品の中に共感するものを見いだすことができます。その台詞や構成には文学作品が巧みに取り入れられていたりします。現実を生きる適温のパワーを与える役割をする、韓国ドラマと映画の中の文学について話します。
講師略歴
金 惠信(きむ・へしん)
芸術学専攻准教授。専門は東洋美術史、アジア近現代美術史。 映像とポピュラーカルチャーなど、表象文化論全般について研究しています。著書に『韓國近代美術研究ー植民地期「朝鮮美術展覧会」にみる異文化支配と文化表象』(ブリュッケ)や『現代韓国美術における女性と表現―ユン・ソクナムの「作業」』(中世日本研究所)などがあります。お問い合わせ
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