沖縄県立芸術大学国際交流
東西センタ―およびハワイ大学ヒロ校・マノア校連携事業
2016年9月19日(月)〜28日(水)(現地時間)
レポート【1】 琉球芸能公演
本事業の一環として、沖縄県立芸術大学琉球芸能公演チームは上記期間にハワイに滞在し、各地で公演やイベントを行いました。そのレポート【1】をお届けします。
- 琉球芸能チーム
- 小西潤子教授、比嘉いずみ准教授、池宮一(舞台監督)、儀保ダーシー(コーディネート・通訳)、中村知子OB専門員、比嘉一惠OB、糸数成美OB、兼島翔子(博士課程)、和田信一(博士課程)、大城貴幸(博士課程)、山里静香(博士課程)、仲嶺良盛(修士課程)、徳田泰樹(修士課程)、渡嘉敷彩香(3年)、仲宗根杏樹(3年)、伊波瑠依(3年)、高里風花(3年)
- 東西センター芸術プログラム
- Eric Chang, Annie Reynolds
9月20日(火)14:00〜15:30ハワイ大学ヒロ校でのワークショップ ほか
台風16号の影響が危ぶまれる中、琉球芸能公演チームは無事、ホノルル経由でヒロに到着しました(写真1、2)。ハワイ大学ヒロ校のキャンパスは、自然環境に恵まれた敷地内に低い校舎が広がっていました(写真3、4)。地元の野菜を使った学生食堂でランチを食べました。お弁当を見ても、日本語起源の言葉がたくさん残っていました(写真5、6)。
2時から、Celeste Staton先生のDance Ensemble(上級ダンスクラス)の授業でワークショップをしました。先方の学生10名、教員2名に対して、琉球芸能専攻の学生らが雑踊り≪黒島口説≫を披露し、体験をしてもらうとともに、琉球芸能で用いる楽器を紹介しました(写真7、8)。
ワークショップ参加者は、日ごろからダンスをしているだけに身体の使い方がとても上手で、大変熱心に取り組んでいました。その後、琉球芸能公演チームの学生からのリクエストに応えて、ワークショップ参加者がそれぞれ日常的に勉強しているダンス(ヒップホップ、フラ、モダンダンス)のデモンストレーションをしてくれました。また、沖縄県系の学生もいて、学生同士が情報交換をする機会にもなりました。
9月21日(水)12:30〜13:45 ハワイ大学ヒロ校ハワイ言語学科William Wilson教授(Academic Division Chair)・Yumiko Ohara准教授と沖縄県立芸術大学音楽学部小西潤子教授・比嘉いずみ准教授とのしまくとぅばプロジェクト打ち合わせ
来年度から本格的にスタートするしまくとぅばプロジェクトの先行事例として、ヒロ校での取り組みを参考にしたいと考え、小西潤子教授・比嘉いずみ准教授がハワイ言語学科 William Wilson教授(Academic Division Chair)・Yumiko Ohara准教授のもとを訪ねました。学科内の掲示はすべてハワイ語で、教職員も全員ハワイ語を話していること、1985年に18歳以下でハワイ語話者が50人だったところ、フラの実践など文化活動を通してのハワイ語復興が始まったこと、ヒロ校言語学科が保育園など付属学校園と連携した教育を行い、ハワイ語で博士論文を書く博士課程まで充実したカリキュラムに即していることなどをうかがい、大変参考になりました。
9月21日(水)19:30〜21:30 ハワイ大学ヒロ校パフォーミング・アーツ・センターでの琉球芸能公演
今回のツアーで第1回目のフル・プログラムとして、ハワイ大学ヒロ校パフォーミング・アーツ・センターで、同マネージャーのLee B. Dombroski氏の協力により琉球芸能公演をしました。600人の観客席を埋める方々から、温かい拍手をいただきました。≪かぎやで風≫などお馴染の古典芸能のパフォーマンスに際しては、客席で一緒に口ずさむ方々もいらっしゃいました。公演に際しては、同大学の学生ボランティアが裏方として舞台づくりに入りました。
元県費留学生のダーシー・儀保氏は、ツアー・コンダクター、通訳、司会と大活躍でした。OBの比嘉一惠氏とゆかりのあるハワイの琉球芸能関係者・安次嶺ロイスさん、同ターヘレさんらとの旧交を温めました。県系の方々らは、公演後御心のこもったレセプションをしていただき、あらためて沖縄とハワイとの結びつきの強さを実感しました。
9月22日(木)10:30〜11:30 カヒル劇場(Waimea)で地元の小学生(さまざまな学校)向けへのミニ公演
ヒロでの公演後ワイメアに移動し、ハワイ州などが運営しているカヒル劇場に集まった地元の小学生(さまざまな学校に所属)向けへのミニ公演をしました。これは、東西センターのアウトリーチ活動の一環です。子どもたちは、初めて目にする琉球芸能をとても熱心に見入っていました。質問コーナーでは、「最初に芸能を作ったのは誰か?」「皆さんは、何歳から芸能を始めたのか?」などたくさんの質問を受けました。
参加したなかでも、Kanu O Ka ‘Aina Charter Schoolの子どもたちは、開演前から客席でハワイの伝統的な朗唱をして待ち、終演後には「ありがとう」の意味を込めて1曲うたってくれました。この学校の伝統として、ハワイの文化を子どもたちに学ばせているということでした(写真17〜20)。
文責:プロジェクト・マネージャー&教授 小西 潤子